お茶がつなぐ、心と体
生理作用と嗜好性
自分にとって必要なものはおいしく、害になるものは口にしたいと思わない。基本的には味覚はこれを基に発達してきたと考えられています。苦いものは体の害になりやすい物質であったため、より低い濃度で感じ、避けたくなるものに多く起こります。甘いものは多くが糖質で、体のエネルギー源となるため生理的にポジティブに受け取りやすい。
嗜好性も似たような傾向が見られます。冷え性の人はトマトや瓜科の野菜が苦手である事が多かったり(アレルギーはこの限りでは無いのですが)。中医学でも処方薬の味をどのような味わいと感じるかを、処方の効果を探る一つの手がかりとして使います。
ものの味や香りをどう感じるかは、私達の歴史や文化が、先祖がどう生きてきたか、今まで私達が何を経験してきたかによって左右されると言えると私は考えています。だから、味わいをどうつくり・伝えるのかは、その体験が人の人生を豊かにする可能性が高いと思えるかどうかを基準にしています。
具体的には、ブレンドでは私自身が一口目を口にした時、鳥肌が立つかどうか?それを何杯も飲んでしまうか?を最初の基準とし、あとはお値段や飲むシチュエーションが想像でき、ある程度は言葉で分かるように伝えられるかどうか?にしています。
それでも分からない、おいしいと思わない方は必ずいると思っています。おいしいと誰かが思うものは、誰かがおいしく無いと思うことを意味するからです。おいしく無いと思う方が多かったら、私がkotohaを続けられなくなるだけです。そうならないと私が信じられるものをつくります。